鶴見川日記


カテゴリ:読書( 41 )



●「ダーク」上・下巻(桐野夏生著、講談社)

ダーク (上)(下)
桐野 夏生 / 講談社
ISBN : 4062753855
満足度: ★★★


先日、栃木の某市に出張したのですよ。一泊で。
知り合いもいない、土地勘もない、一人で入れそうな飲み屋もなかったので
往復6時間、ホテル滞在の数時間で上下巻、読みきっちゃいましたよ。
「ダーク」読むだけの旅って感じでしたな。

村野ミロものシリーズですが、相変わらず緊張感ぴりぴりな物語で。
ミロは主人公でありながら、だまされて失敗して悔やんだり、開き直ったりする、
それが本シリーズの特徴だったように思う。
ヒロインなのに精神的に脆いっつう。
今回のこれは、その度合がより強く、読んでいていたたまれなくなってしまう。

私はこのシリーズでは、番外編らしい「水の眠り 灰の夢」を一番先に読んで、
トップ屋村野善三さん(ミロの父)の物語がとても面白かったので、
この本作であんなことになってしまってとてもかなしかった。

生理痛で作文調になってます、すんません。
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by chocciu | 2006-04-21 00:49 | 読書


●「読んでから死ね!現代必読マンガ101」中条省平著、2003年、文藝春秋●

読んでから死ね!現代必読マンガ101
中条 省平 / 文藝春秋
ISBN : 4163650202
満足度: ★★★★★


中条省平さんは私の大好きな文芸評論家さんだ。
知ったのは「名刀中条スパパパパン!」というちょっとふざけたタイトルの書評集で、
それは

・高村薫「レディ・ジョーカー」さえも切る、しかも説得力ある論で!
・唯川恵「肩越しの恋人」もずたずたに切る、容赦なく!(胸がスカっとしました)

等々に惚れてしまったからなのです。最近は朝日新聞の書評でたまに読みます。

本書はそのマンガ版。読んでないものばかりだけど、
ガロ系からくらもちふさこまで、ほめまくりで、全部読みたくなる。
ああまいったなあもう。

とりあえずメモとして、本書で取り上げられたうちの今後よみたいなあマンガリスト。

・安達哲「バカ姉弟」(講談社)
・市川ヒロシ「2人暮らし」(講談社)
・いましろたかし「初期のいましろたかし」(小学館)
・浦沢直樹「MONSTER」(小学館 18巻もあるけど読みたいよーどうしよー)
・くらもちふさこ「α アルファ」(集英社)
・小池桂一「ウルトラヘヴン」(エンターブレイン)
・近藤ようこ「あけがたルージュ」(小学館)
・さそうあきら「神童」(双葉社)、「1+1は?」(文藝春秋)、「やまだまるもちゃん」(竹書房)
・東陽片岡「されどワタシの人生」(青林工藝舎)
・花輪和一「刑務所の中」(青林工藝舎 映画おもしろかったよー)

とりあえずPLUTO、3巻読んじゃって次もう待てなくて困ったわん。
「働きマン」の3巻も春刊行っつってたからずっと本屋でチェックしてるのですが
まだ出ません。
30過ぎてコミックコーナー毎日チェックしてる女、
ええ全然普通です。
ジャパニーズマンガイスナンバーワン!ですので。
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by chocciu | 2006-04-04 00:01 | 読書


●「白夜行」東野圭吾著、2002年、集英社●

白夜行
東野 圭吾 / 集英社
ISBN : 4087474399
満足度: ★★★


えーと、面白かったすよ。
飲みのない金曜に家で、明け方までかけて読みつくしてしまいました。

リレー方式で、次々場面と語り手が変わり、長丁場をだれさせず一気に読ませますね。
あとがきで馳星周も書いてたけど、亮司と雪穂の内面を最後まで描写しないの、乙ですね。

高宮誠と雪穂の新婚生活のくだり、誠が亭主関白すぎなのはわざとでしょうか。
「(原文)これだけ待たせて、結局手抜き料理なのかっていってるんだよ」
→先に帰ってるならメシぐらい自分で作れよ!とか、ちと思いましたが。
わざとならいんですけど、ミステリーってよくマッチョ思想が入ってる気がする。
ま、重箱のスミって言われればそうなんですが。

東野圭吾、これでやっと3冊終わりました。
書店ではフェアしまくってますね。
次は何を読もうかな。
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by chocciu | 2006-03-22 23:23 | 読書


●「明日の記憶」荻原浩著、2004年、光文社●

明日の記憶
荻原 浩 / 光文社
ISBN : 4334924468
満足度:★★★★★


若年性アルツハイマーの話。
記憶がだんだんなくなるというジャンル物では
「アルジャーノンに花束を」が有名ですね。
あれ最後泣きました。

本作は、若い陶芸の先生の哀しいエピソードが
深く心に残りました。



♪ところで♪
3月11日、記念の日となりました。
自分のためのメモです、すんません。
一生覚えとこ。
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by chocciu | 2006-03-13 22:49 | 読書


●「ぼくのマンガ人生」(手塚治虫著、1997年、岩波新書)●

ぼくのマンガ人生
手塚 治虫 / 岩波書店
満足度:★★★★★

マンガの神様・手塚治虫があちこちで講演した記録(1986~88)をまとめた一冊。氏の没後8年目に刊行された。

「ぼくのマンガは大阪大空襲と八月一五日が原点だ」
とある通り、手塚治虫のマンガ世界が、先の戦争体験が色濃く根付いていることを実感する。大空襲を受けたときの模様を詳細に語っているが、まさにB29の焼夷弾の雨をかいくぐって逃げるという、九死に一生を得る体験。

そして8月15日、大阪の阪急百貨店のホールにシャンデリアの明かりがともっている。夜は絶対に電燈を消さねばいけなかったのに。それを見て手塚青年は思う、
「ああ、生きていてよかった」。
「ほんとうにうれしかった。ぼくの人生の中で最高の体験でした。」
「それがこの四〇年間、ぼくのマンガを描く支えになっています。」

「アドルフに告ぐ」「火の鳥」などが生れた背景は、ああそういうことだったのか、と分かる。

また、稀有なストーリーテリングと作画の才能が生まれた過程も見て取ることができる。素晴らしい担任の先生、科学の得意な親友、芯の強い母の存在・・・。

講演録なのでもともと読みやすいのだが、簡単な言葉の羅列と思いきや、哲学的なものも多々混じっていて、いかに幅広く思考の引き出しを持っていた人かが分かる。「天才」と片付けてしまうには失礼なくらい、いろいろ勉強して、出合った人々との交流を大事にし、努力を続けていたのだ。

蛇足だが、8年ほど前?宝塚の手塚治虫記念館に一人で行ってみたことがある。子どもの頃に描いたという昆虫の絵の上手さにびっくり。近くには本家本元の宝塚劇場があり、手塚少年もよく観に行って、その影響が「リボンの騎士」などに表れていると聞いて、なるほどと思った覚えがある。

手塚プロダクションのHPもかわいくてお勧めです。
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by chocciu | 2006-03-07 00:38 | 読書


●「日本のピアノ100年 ピアノづくりに賭けた人々」(前間孝則・岩野裕一著、2001年、草思社)●

日本のピアノ100年―ピアノづくりに賭けた人々
前間 孝則 岩野 裕一 / 草思社
ISBN : 4794210868
満足度:★★★★★



帯より抜粋:「最高のピアノをつくるために情熱を傾け、日本を世界のピアノ王国にした人々の初めての本格的物語」。

初めて「ピアノ」と出合った日本人は、明治四年、岩倉使節団とともに渡米した津田梅子ら留学生たちだった。それから100年の日本ピアノ史を綴ったのが本書。

浜松でオルガン修理に従事していた山葉寅楠氏(日本楽器→後にヤマハ創始者)、そこで技術を学びピアノ産業を成長させた河合小市氏(河合楽器創始者)など、ものづくりに生きた誇り高き技術者たちの試行錯誤の日々が綴られる。案の定、「プロジェクトX」でも取り上げられたらしい。

戦後、ヤマハはコンサートグランドピアノの開発に着手。最初は出来が悪く評判は散々だったが、その悔しさをバネに、「スタインウェイにも勝てるピアノをつくる」という、当時としては途方もない目標を掲げ、欧米に追いつけ追い越せの開発を始め、涙ぐましいまでの努力を重ねる。

涙ぐましい例では、ヨーロッパでは、調律するのにベートーヴェンのソナタなどを楽々弾き、盛り上がる感じを出すために、普通の音はあえて鳴らなくし、高音を調整するなど、楽曲を知り尽くした調整の仕方をする。低音から高音までそつなくムラなく音を作ろうとする日本の技術者たちに欠けているものは、そうした音楽性だ。ということで、作業の終わった工員たちは夜、若いピアノ教師から手取り足取り、ピアノのレッスンを受けていたのだった。

一流調律者との出会いなどもあり、紆余曲折を経てついに「ヤマハ・コンサート・グランドCF」が完成。改良に改良を重ね、評判の悪かった日本のピアノは、ウィルヘルム・ケンプに「私は、ヤマハ・コンサート・グランドCFは、世界第一級のピアノだと思う」と言わしめ、グレン・グールドが「ゴルトベルク変奏曲」ほか、歴史に名を残す演奏で愛用するまでに至ったのだった。

こつこつ地道に努力し、世界に認められるために汗を流していた昔の技術者さんたち、ばんざい!な気分になる一冊。



♪ところで♪
『新リア王』息子の語る章に入っちゃって今がんばってんだけど、仏の話がえんえんと。ギブしそうだ。どうしようーー。
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by chocciu | 2006-03-02 00:22 | 読書


●「震度0」(横山秀夫著、2005年、朝日新聞社)●

震度0
横山 秀夫 / 朝日新聞社
満足度:★★★


ここんとこ、『新リア王』かかりきりでしばらく他の本が読めそうにないので、以前読んだものの中から紹介。

横山秀夫は『クライマーズ・ハイ』『半落ち』以来。男って本当に新聞記者とか、刑事の出世争いの話が好きだよなー。これもそのツボをつきまくり。キャリアとノンキャリアの確執、所長の保身、等々の内部抗争が延々つづられる。まー楽しめはしたのですが、タイトルにもなっている大震災のエピソードは最後までずっとひっぱられる割には、それほど話とは関係なくてあり?ってな感じ。

男達の妻達もけっこうなキーパーソンとして登場するのだが、彼女たちの描き方がいかにも類型的でちと興ざめ。

いまんとこ、『クライマーズ・ハイ』がいちばん面白かったかな。『半落ち』は本当によーわからんかった。
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by chocciu | 2006-02-28 00:56 | 読書


本屋探索

有隣堂横浜ルミネ店でしばし散策。
大型書店はポップも凝っててフェアも面白かったりして、飽きないですな。
今日の収穫っつーかちと発見したことには、
「ダーリンは外国人」の2匹目のドジョウ狙いなのか、
「ダーリンは●●」みたいな類書がけっこう出てるんですな。
しかも装丁もそっくりだったりする。
ちょっといくつか立ち読みましたが、オリジナルにはかなわなさそう。

そして、東野圭吾再挑戦。とばかりに、「白夜行」を買ってしまいました。
図書館で借りた本もたまってるのですが、その前に早く「新リア王」を進ませねば・・・

というわけで、その後、地元の喫茶店で「新リア王」再チャレンジ。
難航不落かと思われていたのですが、ちょっと我慢してたら物語が動き出して読みやすくなって、いけそうな感じですよ。
いやハマるかもですよ。
地方政治とか、永田町のパワーゲームとか、いろいろ勉強になりそうですし。
この調子でいっきにいきたいね。

♪ところで♪
これから男子アルペンスキー大回転決勝。2時半だって。
3位の皆川頑張ってほしい。
が、期待の佐々木明のコメント↓

 見えなかった。「晴れてくれ」と祈っていたけど、日が陰った時点でやる気ゼロ。やっぱり、ダメだった。この時間帯のレース設定だから、しょうがないけど。バーンは良かったと思うけど、下が見えないから、どんなバーンかも分からない。見えないから、行きたくても「溝があるんじゃないか」と思って行けない。実際、(溝に)はまった。(2本目でばん回?)2本目は、ないから。もう、4年後。

ソースはこちら

最近こういうビッグマウスさんが増えていらっしゃるのでしょうか。
寝ちゃおうかなー。
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by chocciu | 2006-02-26 01:03 | 読書


●「年下の女友だち」(林真理子著、2003年、集英社)●

年下の女友だち
林 真理子 / 集英社
ISBN : 4087746240
満足度:★★★★★


今日これについて書こうとしたら、「林真理子さん ひったくり被害」のニュースが。大丈夫でしょうか。

林真理子氏の著作は好きであらかた読んでいる。女のドロドロした心理描写に関して、右に出るものはいないんじゃないでしょうか。ドロドロ系も好きだけれど、特に『葡萄が目にしみる』に代表されるような、初期の、コンプレックスを抱えた少女の成長物語系のものがいい。

自慢話満載の週刊文春のコラムはキライだけど、以前そのコラムで『作家は周囲が華やいでいないとものを書けない』みたいなことを書いていたので、まあ、そんなものなのでしょうか。

『年下の女友だち』は、40過ぎと思われる、バツイチ・姉御肌のイラストレーター、エミ子に、文字通り「年下の女友だち」が悩み相談を持ちかけてくる(実際はただ話を聞いてもらいたいだけなのだけれど)。「第一話 七美」「第二話 かおり」のように、一人ずつ章立てになっていて、エミ子がそれぞれの彼女の印象、相談経緯、結果をひとり語る形で綴られる。

「こんな相談できるのはエミ子さんだけなんです」と、秘密を打ち明ける女達。人もうらやむ美人で家柄もいいのになぜか男運がない七美、不倫を8年も続けるこずえ、不思議な友情で結ばれているいずみと美由紀・・・。一見幸福そうに見える女たちの裏事情も興味深いが、私が印象に残ったのは、親身に話を聞いているつもりが、だんだん悪意、露悪趣味が芽生えて、わざと意地悪い質問やアドバイスをしたりする聞き手のエミ子の心理描写のほう。特に唯一彼女自身が話に絡む「葉子と真弓」の章のルミ子、とても哀しく切ない。
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by chocciu | 2006-02-22 00:25 | 読書


●「新リア王」(高村薫著、新潮社)●

・・・といいたいところなのですが。
すみません。まだです。だいぶ先になりそうです。

私、「高村薫が好き」とフツーに言って廻ってるのですが、自称●●って本当にいいかげんなもんで、『リヴィエラを撃て』とか初期のいくつかは読んでないし、彼女の代表作でもあろう『晴子情歌』は未読だったりする。昔の言葉遣いで、なんか難しそうで。

で、その続編らしい『新リア王』。昔の言葉遣いもあるけど『晴子情歌』よりは読みやすそうだし、こっから読んでもいいだろうと、長い逡巡の日々を経た末、まず上巻を購入。しばらく熟成させたうえ、数日前から通勤電車で読書開始したのですが。。

・・・・・。
・・・きたよ、のっけからきたよ、吹雪の青森。男。長い独白。。。。。
あれだよ、ドストエフスキーを彷彿とさせるよ。主人公がぐだぐだずっと、自分の感情の起伏について何ページ分も考え続けるってやつ。
ぐっっ・・・

脳味噌もう硬くなってんのか、速読派の私が3日目にしてまだ5ミリぐらいしか進んでないよ。

読破できるか不安になってきた。
「自称ファン」の沽券に関わるので、頑張る所存でございます。



♪ところで♪
世界中の犬の一匹でいいから、人間の言葉を話せたら聞いてみたいことがある。
最近の、「服を着せられる」ことについてどう思うのか。
あれ、梅雨時のストッキングみたいに、まとわりついてうざくて嫌なんじゃないだろーか。
今日帽子まで被ってる犬みて、ふとそう思ったことだよ。
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by chocciu | 2006-02-16 23:06 | 読書

    

33歳女、編集業者による日記です.
by chocciu
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プロフィール
34歳、女、旦那と2人暮らし、神奈川県在住、仕事は編集、夢は印税生活。

スキ:散歩、漫画だらだら読み、カウリスマキ、是枝裕和、高村薫、西原理恵子、国内ぶらり旅、鶴見川チャリ。

キライ:ほうれん草のごまあえ

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