県庁の星
桂 望実 / 小学館
ISBN : 4093861501
スコア選択: ★★★★
「映画化決定!」と帯にあるとおり、まるで映画化かドラマ化を見越して書いたのでは?と思うほど、キャラ立ちした人物がたくさんでてくる話。確かにスーパーって、惣菜売り場のおばちゃんとか、警備員のおっちゃんとか、変ったお客とか、いろんなキャラがいて、人間くんずほぐれつドラマは作りやすいかもね。あ、ほらフランス映画でそういうのあったじゃん。なんだっけ、、あ、
「百貨店大百科」だ!
やる気のない、ダメダメな主人公が、とんでもない環境に放り込まれて嫌々日々をすごし、でも環境にもまれるうちに変ってきて、周りの彼を見る目も変ってきて、最後は皆でがんばってハッピーエンド!・・・という話はわんさかあって、これもそういう話なのだけど、やはり「役人」と「民間」の感覚のギャップから生まれるズレ?が可笑しい。「産業労働部産業振興課産業支援班」などという長い肩書きとか、書類や数値、前例ばっかり気にしてるとことか、おもむろに「意見書」を提出してくるとことか、「書類が不備で受理できない」とか、「そうそう、役人てそうなんだよ!」と、半休とって納税滞納の督促状持ってけんか腰で役所の窓口で対決に望んだこと一度ではない私は共感しまくりで笑っちゃいました。
出世のことしか頭にない県庁のエリート野村が、最後には「現場のことを何もわかっていない!」と消防署の役人に憤るほど、人間性が変っていく過程を巧みに描いていて面白かった。パートのベテラン・二宮とその息子のストーリーもよい。何箇所か、「これどっちが喋ってるの?」と思ってしまうような会話文の頻発が気になったけど、たいしたことではない。
それにしても
2月25日公開だって。最近はすぐ映画とかドラマになるのね。柴崎コウはともかく、織田裕二かあ・・・。あんな顔の役人っているかあ?いや、探せばいるでしょうけど、イメージ的に役人顔ってソース顔よりしょうゆ顔だよねえ。(古いたとえですいません)