鶴見川日記


●「日本のピアノ100年 ピアノづくりに賭けた人々」(前間孝則・岩野裕一著、2001年、草思社)●

日本のピアノ100年―ピアノづくりに賭けた人々
前間 孝則 岩野 裕一 / 草思社
ISBN : 4794210868
満足度:★★★★★



帯より抜粋:「最高のピアノをつくるために情熱を傾け、日本を世界のピアノ王国にした人々の初めての本格的物語」。

初めて「ピアノ」と出合った日本人は、明治四年、岩倉使節団とともに渡米した津田梅子ら留学生たちだった。それから100年の日本ピアノ史を綴ったのが本書。

浜松でオルガン修理に従事していた山葉寅楠氏(日本楽器→後にヤマハ創始者)、そこで技術を学びピアノ産業を成長させた河合小市氏(河合楽器創始者)など、ものづくりに生きた誇り高き技術者たちの試行錯誤の日々が綴られる。案の定、「プロジェクトX」でも取り上げられたらしい。

戦後、ヤマハはコンサートグランドピアノの開発に着手。最初は出来が悪く評判は散々だったが、その悔しさをバネに、「スタインウェイにも勝てるピアノをつくる」という、当時としては途方もない目標を掲げ、欧米に追いつけ追い越せの開発を始め、涙ぐましいまでの努力を重ねる。

涙ぐましい例では、ヨーロッパでは、調律するのにベートーヴェンのソナタなどを楽々弾き、盛り上がる感じを出すために、普通の音はあえて鳴らなくし、高音を調整するなど、楽曲を知り尽くした調整の仕方をする。低音から高音までそつなくムラなく音を作ろうとする日本の技術者たちに欠けているものは、そうした音楽性だ。ということで、作業の終わった工員たちは夜、若いピアノ教師から手取り足取り、ピアノのレッスンを受けていたのだった。

一流調律者との出会いなどもあり、紆余曲折を経てついに「ヤマハ・コンサート・グランドCF」が完成。改良に改良を重ね、評判の悪かった日本のピアノは、ウィルヘルム・ケンプに「私は、ヤマハ・コンサート・グランドCFは、世界第一級のピアノだと思う」と言わしめ、グレン・グールドが「ゴルトベルク変奏曲」ほか、歴史に名を残す演奏で愛用するまでに至ったのだった。

こつこつ地道に努力し、世界に認められるために汗を流していた昔の技術者さんたち、ばんざい!な気分になる一冊。



♪ところで♪
『新リア王』息子の語る章に入っちゃって今がんばってんだけど、仏の話がえんえんと。ギブしそうだ。どうしようーー。
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by chocciu | 2006-03-02 00:22 | 読書

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33歳女、編集業者による日記です.
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プロフィール
34歳、女、旦那と2人暮らし、神奈川県在住、仕事は編集、夢は印税生活。

スキ:散歩、漫画だらだら読み、カウリスマキ、是枝裕和、高村薫、西原理恵子、国内ぶらり旅、鶴見川チャリ。

キライ:ほうれん草のごまあえ

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